餃子の王将で発生した不適切行為の炎上事例
インターネット上に不適切な写真や動画等を投稿して世間の強い批判を浴びる“炎上”が近年社会問題になっていることは周知の事実でしょう。様々な事例がある中でも、特に飲食店関係のものは国民の怒りを買い、物議を醸していると言えます。そこで、今回は餃子の王将で発生した不適切行為の炎上事例を複数紹介していきます。
餃子の王将で発生した不適切行為の炎上事例
国会議員の不適切発言に芸能人のスキャンダル、企業の不正等々、原因は様々ですが近年世間から一斉に非難を浴びる“ネット炎上”の事例が増加しています。中でも飲食店関連の炎上事例は消費者の日常生活との直接的な関わりが深く、殊更に強く批判されます。“餃子の王将で発生した不適切行為の炎上事例”もそのうちの一つです。
餃子の王将での炎上事例
「餃子の王将」は日本人なら誰もが知っている大手中華料理店のチェーンです。店舗ごとにオリジナルメニューがある他、一部店舗では「皿洗いを30分手伝うと料金無料」のキャンペーンを行う等、ユニークな側面も持ち非常に人気があります。そんな多くの人に愛される餃子の王将でも、従業員の不適切行為を撮影した写真が投稿され炎上した事例があります。
従業員が冷蔵庫に入って炎上
その写真が投稿されたのは2013年の9月3日のことでした。問題となった行為は餃子の王将新潟県近江店の従業員が店内の食材等を入れる大型冷蔵庫の中に入り込んだ写真を撮影、Facebookに投稿したもので、画像は他のサイト等にも転載されすぐさま炎上騒ぎとなりました。
消毒や食材の廃棄等の措置が取られる
この事件を受けて運営元の「王将フードサービス」は謝罪し問題を起こした従業員に対しては厳正な処分を行うとした他、同店舗を休業し、当該冷蔵庫の入れ替えや食材の廃棄、消毒等を実施しました。加えて「今回の事態を全社の問題として厳粛に受け止め、教育及び指導を徹底、全社一丸となって信頼回復に努める構えです。」等とコメントしました。当時は閉店についての言及はありませんでしたが、その後閉店しました。
餃子の王将では更に悪質な炎上事例もある
同じく餃子の王将では別の事例も起こっています。男性客のグループが全裸になった写真が投稿され炎上した事例ですが、数ある炎上事例の中でも特に悪質なケースと言えます。
男性客が全裸姿の写真を投稿し炎上
男性客のグループが餃子の王将の店舗内で全裸になっている写真をTwitterに投稿し炎上したこのケースは、複数の点で非常に悪質と言えます。
ホストクラブに勤める男性客グループが全裸姿の写真を投稿
2012年11月~12月初め辺りの朝のことです。男性客のグループが店内で全裸になり写真を撮影、Twitterに投稿しました。男性客らはホストクラブに勤務しており、Twitterには「食は王将にあり、食は万里を超える。 外食業界で不適切な写真が流行ってますけどね、甘いよ、ぬるいよ。 本物の不適切な写真を食の王者、餃子の王将金沢片町店が見せてやる!!!」とのコメントも一緒に投稿しています。
店側は閉店、損害賠償請求
事件が発覚したのは2013年9月1日になって別の客からとみられる匿名の連絡を受けてのことでした。王将フードサービスは従業員に事実関係の確認をしたところ認めたため、ホームページ上に謝罪文を掲載しました。そこでは男性客らが「公序良俗に反する不適切な行為」を行ったとして、店の営業を2日に停止したことを明らかにしました。同社は、男性客らへの損害賠償請求を検討していると言います。結果、当該店舗はその後閉店しました。
悪質を極めた事例と言える
もちろん炎上するケースは全て悪質で、だからこそ問題になるのですが、当ケースは中でも非常に下劣で不愉快極まりない事例であり、極めて悪質と言えます。
一連の炎上騒ぎを知った上で迷惑行為
まず他の炎上事例と比較して当ケースがより悪質である点は、“外食業界で不適切な写真が流行ってますけどね、甘いよ、ぬるいよ”とのコメントからも分かる通り、2013年に連日各メディアで報道されていた一連の炎上騒ぎを知っており、さらにそれを公言した上で迷惑行為に及んでいる点です。
店員も“グル”に見える構図
また当ケースで投稿された写真には、コックスーツを着用した人物が笑顔で厨房に立っている様子も映っています。後にこの人物も男性客らと同じホストクラブの従業員であることが判明したものの、一見すると従業員も男性客の迷惑行為を容認している、それどころか楽しんでいるかの様にも捉えられる写真であると言えます。
餃子の王将での事例のさらなる問題点
更にこのケースの問題はこれだけにとどまりません。ネット上では店に対する非難の声もでています。
事件当日の店側の対応に疑問符を投げかける声も多い
当事例での男性客の行為は「非常識」や「迷惑」、あるいは「悪ふざけ」等の類で片付けられる問題ではありません。もちろんこうしたケースで店側を責めるのは酷と言わざるを得ませんが、毅然とした対応が必要だったでしょう。
従業員も協力している
画像に写ったコックスーツの人物は男性客が扮したものであると判明したものの、コックスーツそのものは本当の従業員が男性客らに貸したものであり、実際に男性客らも撮影時に店の許可は取った旨を供述しています。つまり、やむを得ずであったとしても従業員が男性客らに言わば“協力”していることになるのです。この点に関しても批判の声が続出しています。
従業員は警察に通報すべきだった
従業員らは「怖くて何もできなかった」と言っていますが、男性客らの行為は明らかな犯罪であり、彼らが下着を脱ぎ始めた時点で即、有無を言わせず110番通報すべきだったと言えます。
従業員らの制止を振り切り全裸写真を撮影
男性客らは店内で写真を撮る許可を事前に取りましたが「裸で撮らせてほしい」と言ってきたことには店側が断りました。初めは普通に食事をしている様子を撮影していましたが、その後従業員の服を貸してほしいと店に告げました。問題を起こした男性客は店の常連客だったこともあり、店は止む無く服を貸したと言います。ところがコックスーツを着た男性以外の6人が突然服を脱ぎ始め、従業員らの制止を振り切って全裸になった様子を写真に撮ったのです。
公然わいせつで通報すべきであった
この店は24時間営業で、撮影当時は店内に客が数人いたと言い、店はガラス張りになっており、外から丸見えの状態でした。これはどう見ても常軌を逸した状況です。事実Twitterでは、撮影日に近い2012年12月8日に「片町の餃子の王将でアダルトビデオの撮影しとるらしい」といった噂が流れていたのです。男性客らが行った行為は明らかに公然わいせつであり、常連客であろうと警察に通報すべきであったと言えます。
一人の迷惑行動が取り返しのつかない損害に繋がる
類似のケースに東京のソバ屋で不適切な投稿をした結果「不衛生だ」とのクレームが殺到した事例があります。このケースでは、幹線道路沿いの好立地で営業していたにもかかわらず店舗は閉店、倒産に追い込まれました。これらの事例は一部の人の常識外れな行動が同僚の仕事を奪い、その家族までも路頭に迷わす様な取り返しのつかない事態にまで発展し兼ねないことを示しています。
餃子の王将の事例から見えてくること
これらの炎上事例から、現代社会に生きる人々の中のある問題が浮き彫りになってきたと言えます。
SNSというツールの公共性の認識が欠落している
どんな理由があるにせよバカッター達の行動は許容すべきではありませんが、炎上事例は圧倒的に10代後半から20代にかけての若者による所業が多く、そこにある理由が見えてきます。
“デジタルネイティブ”世代はネットリスクの認識が甘い
2017年現在の10代から20代にかけての若者は“デジタルネイティブ”と呼ばれ、物心つく頃から身の回りの環境にインターネットがあった世代です。比較的若い時分からスマートフォンを利用している彼らはTwitterやFacebook、LINEといったソーシャルメディアでの友人等とのオンライン上での繋がりが生活の中心になり、常にスマホ画面で友人等からのメッセージを確認しスマホ依存に陥りがちである一方で、概してそのリスク認識が甘い傾向にあると言えます。そして延いては「いいね!」等の反応をもらうために突飛な行動をし、炎上にいたるのです。
バカッター達もネットのリスクを知らないわけではない
全裸写真の事例で、男性客らは事件後「内輪で楽しんでもらえれば良いと思った」等と供述しています。炎上事件は日々報道されているので、バカッター達も「ネットにアップロードした情報は仲間内だけでなく全世界に拡散し、それを全て消去するのは不可能である」という事実をおそらく頭では理解しているのでしょうが、そういった意識があまりに希薄であることがこうした炎上騒ぎが絶えない理由となっていると言えそうです。
近年炎上事例が絶えませんが、一時の悪ふざけが他者に与える被害は計り知れないことや例え当人達はその場では楽しくとも、彼ら自身の人生をも狂わすことを再認識する必要があります。また、こうした問題に巻き込まれないためにも、店側は授業員に対して注意喚起し、さらにトラブルに巻き込まれそうになったら、警察や弁護士に相談することも必要になってくるでしょう。