ネットの風評被害とは|早めの対策・予防が大切
風評は根拠がないのに、被害は甚大
根も葉もないうわさがきっかけ
風評とは世間のうわさや評判のことです。特に悪いうわさや評判を流されて経済的な損害または信頼を失うなどの被害を受けることを「風評被害」といいます。
過去にはオウム真理教の事件があった際に、教団とは無関係の「オーム」という会社が関係を疑われ、取引先から取引停止を受けるなどの被害を受けました。最近では東日本大震災の原発事故をきっかけに、東北地方の野菜や米、魚が放射線に汚染されているとの風評が流され、売り上げが伸びずに苦労されたケースもあります。
また、ライバル会社を陥れようと、わざとネガティブキャンペーンをするのも、一種の風評被害だといえるでしょう。これは商売だけでなく、選挙でライバル候補を落とすため、また個人の恨みを晴らすためにも行われることがあります。
風評は広がると消すのが難しい
風評被害の恐ろしいところは、一度悪い評判が広がるとそのイメージがなかなか消えないことです。大きくニュースになれば、記者会見で詳しく説明して無実を証明できます。しかし、小さな企業や個人では、その対策は難しいことです。また、じわじわと風評が広がっていくと、撤回するのはなかなか大変です。
一方で、事実をよく調べないままにマスコミが風評を拡散してしまうケースもあります。特に最近はニュースを新聞ではなく、インターネットで読む人が増えたため、情報の拡散スピードが速くなっています。撤回はさらに困難になります。
最近増加しているネットの風評被害
自由に書き込みができるネットで広がる
インターネットの普及に伴い、ネットでの風評被害が増加しています。匿名で書き込みができる掲示板やSNS(Twitter(ツイッター)やmixi(ミクシィ))などの登場で、誰もが気軽に投稿できるようになりました。見知らぬ人と共通の話題で情報交換できるのがメリットですが、匿名がゆえに無責任な投稿が増えています。つまり、誰かが特定の企業や個人の誹謗中傷を書き込んでも、投稿者が特定できないのです。
しかも、一度書き込まれた情報は、それを違うサイトやブログ、SNSなどに転載できるため、元情報を削除できたとしても、次々と拡散していきます。
検索結果に自分の名前が出ることも
インターネットで調べものをするときは、検索窓に調べたい語句を入力します。すると、それに関連した語句がずらっと出てきます。これはよく検索されている語句や関連キーワードを出すことによって、調べやすくするという便利な機能です。しかし、自分(または自社)の風評被害がネットに広がると、誰かが検索したときに自分(自社)の名前と風評に関するキーワードが次々と出てくるという現象が起こります。
例えば、A社の食品で健康被害が出たという風評が流れた場合
誰かがただ「健康被害」と検索しただけでも、「A社 健康被害」「A社 ○○(食品名) 健康被害」と出てくるのです。その結果、A社のことを知らない人にまで悪い風評が届いてしまいます。逆に「A社」と入力しただけでも、「A社 健康被害」と出ることもあり、結果的に悪い風評を知らせることになります。
こういった風評を流されないようにすることが大切なのですが、個人的な恨みやライバルによる悪意で流されるのは防ぎようがありません。そこで、インターネットで風評が流された場合に対策を施す必要があります。