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ネット誹謗中傷の対策

  • 2017年02月16日 | 3,364view

悪質なネット誹謗中傷対策業者に注意!騙された費用は返還請求を

ネット誹謗中傷対策業者

一見、弁護士より敷居が低そうに見える誹謗中傷対策業者は、その実態が不明なことも多く、中には非弁行為を行うような悪徳業者もいます。しかし、そのような業者に依頼をして費用を支払ってしまった場合でも、「不当利得返還請求」によりかかった費用を取り戻すことができます。実際に請求をする場合は、弁護士に相談して指示を仰ぎましょう。

不当利得返還請求に強い弁護士一覧

誹謗中傷対策業者が削除をするのは法律違反

自分の会社や自分自身の悪評がインターネット上に書き込まれているのを発見したとき、「弁護士に頼むなんて敷居が高い」と考えて民間の誹謗中傷対策業者に対応を依頼しようと検討する人も多いのではないでしょうか。

誹謗中傷対策業者がネット情報を削除できるわけではない

しかし、ここで知っておきたいのが「業者は書き込み自体をできるわけではない」ことです。弁護士より敷居は低いかもしれませんが、毎月誹謗中傷対策にかかる作業を依頼することで毎月費用がかかり、結局弁護士に依頼するよりも高額になることもあります。そのため、根本的に解決をしたければ弁護士に依頼をするのが一番でしょう。

弁護士法には「非弁行為」を禁じる規定がある

弁護士法72条では、弁護士以外の者が報酬を得る目的で法律行為を行うことを禁止しています。このような行為は「非弁行為」にあたり、弁護士法77条によると、非弁行為を行う者は「2年以下の懲役又は300万円以下の罰金刑に科せられる」とされています。

誹謗中傷対策業者が削除手続きを行うのは非弁行為にあたる

つまり、誹謗中傷対策業者が依頼人の代理でサイト管理人やプロバイダ等と削除に関する交渉を行うことは「非弁行為」にあたり、違法となるのです。そのため、誹謗中傷対策業者に対策を依頼するときには、非弁行為をしていないかどうかよく確認する必要があります。

誹謗中傷対策業者ができることは何?

法律行為を行うことができない誹謗中傷対策業者が実際に誹謗中傷や風評被害の対策として行えることは、技術的なサポートのみです。業者は、基本的にはIT技術を駆使して見えにくくしたり、監視をしたりすることしかできません。

誹謗中傷対策業者の誹謗中傷対策

逆SEO対策

誹謗中傷・風評被害の対策として最もオーソドックスな方法が「逆SEO」と呼ばれる方法です。これは、検索エンジンに表示されるネガティブな書き込みの検索結果の順位を下げて、ユーザーから検索結果を見えにくくするものです。検索順位が下がれば、その分書き込みが人目に触れる可能性がぐっと減るので効果的と言われています。

関連ワード対策

例えば、ある企業名を検索窓に入れると、関連ワードとして「〇〇会社 ブラック」「〇〇企業 倒産」などとネガティブワードが現れることがあります。そのような場合、IT技術で関連ワードを表示しにくくする対策がとられます。

風評監視(モニタリング)・レポート

インターネット掲示板や各種SNS、blogなどで依頼人の誹謗中傷や風評被害につながる書き込みがされていないかどうかを見張るのが、風評監視(モニタリング)です。業者が独自のシステムを使って依頼人の悪評が書き込まれているのを素早く検知し、依頼人に報告します。

悪徳誹謗中傷対策業者に注意!

たいていの場合、誹謗中傷対策業者に何かを依頼するときはすでに悪評の書き込みがなされている状態なので、精神的に業者を冷静に比較検討する余裕がないかもしれません。親身になってくれる業者ももちろんいますが、高額な費用を請求だけして何も対策をしない悪徳業者もいます。そのため、業者を見る目を平時から養っておくことが必要です。

悪徳誹謗中傷対策業者が使う手口の特徴とは

誹謗中傷対策業者の実態はわかりにくいケースが多いため、悪徳業者を見抜くことはなかなか難しいかもしれません。しかし、いざというときに備えて、悪徳業者が使う手口について知っておくことが大切です。

弁護士と依頼人を対面させない

業者が弁護士に削除対応をさせるとしているにもかかわらず、弁護士と依頼人を会わせないケースがあります。普通、弁護士が仕事を受任するときには依頼人との面談が必要となるので、弁護士に会わせてもらえない場合は業者がウソをついている可能性が高いと言えるでしょう。

手続が依頼者本人の名前で行われる

業者自身が依頼人の代理で削除依頼などを行うことはできないので、代わりに依頼者本人の名前を使ったり依頼人の企業の従業員になりすましたりして手続きを行うことがあります。このような行為は非弁行為にあたり、違法となります。

弁護士名のフリーメールアドレスを使っている

フリーメールアドレスを使って、弁護士になりすまして削除依頼を行う業者もいます。こちらの場合は非弁行為をしているのみならず、弁護士が対応したかのように見せかけて依頼人をだましていることにもなります。

誹謗中傷対策業者に引っかからないためにやるべきこと

悪徳な誹謗中傷対策業者に依頼してしまうことがないようにするには、どうすればよいのでしょうか。事前にチェックすべきことやしたほうがよいことなどについて見ていきましょう。

ウェブサイトに所在地・電話番号の記載があるかチェック

まず、ウェブサイトの「企業情報」に所在地や電話番号が載せてあるかを確認します。Google Mapのストリートビューで検索して建物の外観を見れば、その所在地にある建物がバーチャルオフィスかどうかもわかります。また、電話番号の記載の有無も、その業者が何かあったときにすぐに対応しようするかどうかの判断材料にもなります。

電話をかけてみる

次に、電話番号の記載があれば実際に電話をしてみましょう。電話に出た担当者の対応の仕方ひとつでも、良質な業者かどうかがわかります。電話に応対した人が自信をもって明確に受け答えをしているかも、本当に頼れる業者かどうかの判断材料になります。

実際に足を運んでみる

可能であれば、一回は業者に出向いて見るのがベストでしょう。担当者と顔を突き合わせて話すことで、企業姿勢を垣間見ることができる上に、会社の雰囲気や清潔感から、ちゃんとした会社かどうか目で見て確かめることもできます。

悪質な誹謗中傷対策業者に支払ったお金は取り戻せる!

運悪く悪質な誹謗中傷対策業者に引っかかって費用を支払ってしまった場合でも、支払ったお金は取り戻すことが可能です。ではどのようにして返してもらえばよいのでしょうか。

不当利得返還請求に強い弁護士一覧

悪質な業者には「不当利得返還請求」ができる

非弁行為によって削除手続きが行われた場合や、何も作業をせずに費用だけ請求された場合は「不当利得返還請求権」を行使することができます。不当利得返還請求権とは、いったいどういう権利なのでしょうか?

不当利得返還請求権とは?

不当利得返還請求とは、不当に利益を得た者は損失を受けた者に返還しなければならないとする民法上の規定のことを言います。さらに、受益者に悪意があった場合は、利息をつけて利得を返還しなければならないと定められています。これを請求できるのが「不当利得返還請求権」です。

悪質な業者には不当利得返還請求ができる!

業者に依頼して成果が出なかった場合はもちろんのこと、業者の行ったことが功を奏した場合でも、非弁行為を行った業者には不当利得返還請求ができます。ただし、時効は10年と定められているため、請求できる期限には注意しましょう。

不当利得返還請求を行う方法とは

不当利得返還請求を行う場合は、やはり弁護士を通じて相手方に請求をしてもらうことが一番効果があると言えます。支払ったお金は返ってこないものだとあきらめずに、まずは弁護士に相談してみましょう。

弁護士から内容証明郵便を送ってもらう

不当利得返還請求を行うときは、まず弁護士から相手方に裁判外で請求を行います。具体的には、相手方に弁護士を通じて内容証明郵便を送り、依頼人が払った費用を返還するように請求します。

相手方が応じなければ裁判へ

業者側がこちらの請求に応じなければ、訴訟を提起した上で不当利得の返還請求をすることになります。ただし弁護士費用が上乗せされる上に訴訟費用がかかってくるため、裁判を起こすのはかかる費用と利益を天秤にかけて利益が出る場合に行うのがよいでしょう。裁判にするかどうかは、担当の弁護士とよく相談することをおすすめします。

弁護士費用が払えないからと言って誹謗中傷対策業者に対策を依頼しても、根本的な解決にならないばかりか、毎月対策のための固定費がかかり結局費用が高額になるケースもあります。根本的に問題を解決するには、やはり弁護士に依頼して対処することが一番です。

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